ハッと息をのんだ頃にはもう、背中に棚。
ゆるりと両サイドに手を突かれ、第一ボタンの開いたワイシャツの胸元が目に入って胸の奥がキュンと狭くなる。
私はどんどん顔に熱が集まっていくのを感じながら、チラリと彼を見上げる。
でも、俯ききった彼の顔は前髪に隠れてよく見えない。
この格好でかたまったままなにも言わない彼に、私の心臓は大きく脈打つ。
このままドキドキにのまれそうで、私は焦って喋った。
「九条くん、冗談でしょ? はなしてよ……?」
切羽詰まって私はぎこちなく笑う。
けれど、返事はなんにもない。
俯いたまま1ミリも動かない。
「九条、くん……?」
もう一度、私はかすれた声で呼びかけた。
すると九条くんの手が、私の襟元に乱暴にかけられ、無理矢理胸元を開かれる。
「きゃあ!」
「この日を迎えたのに、覚醒はまだなのか」


