人間と半妖だから……?

スカートに、透明のビーズ玉のようなものがこぼれ落ちた。

目から流れ落ちたそれに、私は目を丸くする。

泣いているつもりなんかなかったのに、次々とこぼれ落ちて止まらない。

半妖なんて、あり得ない者と思っていたくせに、心が納得しないでいる。

人間ではないことに変わりないのに、強くて不器用な彼らのことを知ってしまったから……。

頭を抱える指先に歯がゆさがはしって、思わず力が入る。

「また泣いてる。同情? これはあんたへのヒントだって言ったよね? その意味をよく考えたら?」

脳天を軽く小突かれて、後に足音が響く。

耳には冷えきった声の残響がまとわりついていた。

私は未だぼけっとしたまま、頭を抱えていた手をたどたどしい動きで鎖骨に押し当てた。

ぼんやりと前を見据えたまま、私は考えたくもないところまで思考を巡らせる。

お母さんが死んだ原因は、他にあるっていうの……?

感覚の覚束ない右手の中では、変形したタイ焼きがとうに温度をなくしていた。