乱麻くんは、手慣れた手つきで手提げ型のカバンをリュックのようにゆるりと背負いながら、唐突に口を開く。
「けど、最後にヒントをあげるよ。あんたのお母さんはなにで死んだか、ちゃんと知ってる?」
肩を落とし俯く乱麻くん。
私は息を吸い上げて目を見開いた。
全身に寒気がはしる。
「なんでお母さんのことなんて……?」
さあっと、血の気が引いていくのがわかった。
さっき感じた違和感が倍になって体に舞い戻ってくる。
心臓は早鐘を打つ。
指先が氷みたいに冷えてくる。
自分でもなぜこんなに焦っているのかわからない。
だって、お母さんの死は私を産んだことによるもので、なにも関係なんてあるはずがないのだ。
さっきも、自分に言い聞かせたばかり。
お母さんもまた、普通にただの神社の娘だったはず。


