集まった視線と、上から見下ろされている雨宮先生の視線。
教科書を置くわずかな音が響く。
私の動きは固まるばかり。
すると、雨宮先生は淡々と言葉を放つ。
「授業中に寝るとは感心しないな。具合が悪いなら保健室に行くように」
耳が痛くて肩をすくめた。
もう、なにを言うでもなく、雨宮先生は私の横を颯爽と過ぎ去っていく。
「じゃあ次、吉田。この段落から読んでくれ」
「はい」
授業は何事もなかったように進む。
みんなの顔も前に戻る。
振り返ったままでいる真央だけは、はっきりした口の形で「大丈夫?」ときいてくれた。
だから私は苦笑いで頷いて、真央を授業に戻す。
そして教科書の表紙に視線を落とし、私は小さくため息をついた。
雨宮おじさんの授業で寝ちゃったんだ……。


