その瞬間、電撃のような声が落ちた。
凄まじい勢いで空を切り裂く音が、耳を掠める。
目にもとまらぬほどの速さの刃が目の前にふり下ろされたのが見えた。
私の腕をさっと放し、風圧で後ろへすっとばされる烏天狗。
誰!?
瞬時にあたりを見渡そうとした私の視界を覆う薄灰色。
煌めく太刀。
揺れる短い黒髪。
あの、着物の彼……!
私はお腹に手を回され、彼のわきに抱えられる。
彼は俊足で鉄骨の山を駆け下り、私はあっという間に地面へ。
そっと地面に下ろされる。
屈んで、私から手を話す彼を、私は呆気にとられて見つめていた。
感情の見えない切れ長の涼しげな目。
至極真剣な真一文字の唇。
なんで、今日も助けてくれるの……?


