ていうか、この人はなんで自分たちの企てを、私、張本人に話すの?
問いかけそうになったけれど、彼は焦ったような口調でまくしたてる
「俺は兄貴なんて怖くない。俺と一緒に逃げるなら、烏天狗の追手なんて俺が蹴散らしてやる」
言葉に、瞳に、初めて熱がこもる。
険しい瞳の中に、熱い炎が見えそうなくらい。
私はきつく掴まれた腕を見て、そして口ごもる。
そんなこと言ったって、この人も烏天狗。
あの時、私を襲ってきた人。
ついていくなんて、できっこない。
私はどちらの元へも行きたくない……!
「あんな家なんてもう、捨てたいくらいだ」
急に彼が俯いてぼやいた言葉が、妙に私の胸へと入りこむ。
家を捨てたいってどういうこと……?
「烏天狗どもは、一枚岩じゃないんだな! こいつから離れろ!」


