「へ?もう誰も居ない?」



そんな俺は



「うん、居ない。てかお前遅すぎなんだよ。魔王現れてもう一週間。逆に何でまだ誰か居るとか思ってたの?馬鹿なの?あ、馬鹿だったな死ね」



そんな俺は、早速夢が詰まれそうです


俺はパーティーを組む為、旅立ちに『ワーカーズ』にへと立ち寄っていた。所謂人材紹介所みたいな感じの。

そして人が居ない、という事実を俺に無駄に長く、無駄にダメージを与えんと伝えてくれた男が、イトバ。俺の幼馴染みである

栗色の髪を後ろで束ね、椅子の上でヤンキー座りをしている。前に鍔がついた黒色の帽子を深く被っており、表情は伺えない。だけど分かる。今凄く怠そうにしてるということだけは



「は、え、ちょ、え、え、じゃあ俺どうしたらいいの!?一人寂しく旅を開始するの!?それ無理ゲーじゃね!?俺の旅\(^o^)/オワタ!?」

「あーもーうっさいな。どんなに喚いたって普通の奴はもうとっくに居ない」

「リアル\(^o^)/オワタ!」



床に手をつき、orzの姿勢になる。絶望。最早俺に未来は無い。リアル夢\(^o^)/オワタ

はぁ、と溜息をつきながらイトバはパラパラと冊子を捲る。その冊子は、左端に穴が幾つも開けられ、紐を通すだけで纏められていた



「お前ってさ、いっつも俺の話聞かないよな」

「…何だよいきなり…。そんなの今に始まったことじゃ」



冊子を捲る手が止まる。店に入ってからずっと、机上の冊子に向けられていた顔が上がる。真っ黒な双眸が俺を捉えた。



「言ったろ?普通の奴はもう居ない。普通の奴なら、な」

「……」

「全く分かりませんって顔すんな」

「もういい!誰でもいい!」



この際誰でもいい!ほんとに!イトバは難しいこと言ってるけど、よく分かんねーけど、もうどうだっていいんだ!
多少危ない人だったとしても!
今の俺に選択の余地は無い!



「ほんとにいいのか?」

「おう!もう多少危なくったっていい!俺と一緒に旅してくれるなら!」



ニヤリ。いや、ニイイ、って感じのが合ってるかもしれない。イトバの口端が上がった

この顔、知ってる。見覚えがある。そう、あれだ。以前にも、こんな…ーーーーーーーーーー