初恋の相手は人の心を平気で弄ぶような奴だった。

そして俺は誓った、もう恋なんかしないと。

なのにその誓い中学生になってすぐ、破ることとなる。

「…初めまして、高野花音です。

吹奏楽部に入りたいと思っています。

……よろしくお願いします」

愛想笑いの一つもせずに素っ気なく言い放たれた自己紹介。

人見知りなのかと思った。

けどチャイムが鳴ると大勢の女子が高野の周りに集まる。


人と人との隙間から見えた笑顔に俺は恋に落ちた。

「カノン、このキャラクター知ってる?」

男子が話しかけた瞬間、高野の顔から笑顔は消えた。

「何それ、そんなの知らないし興味ない」

「えー、これ面白いのに」

「知らない」

ガタッと椅子を引いて立ち上がると廊下に出て行った。

それを見て慌てて追いかけて行く女子達。

ココまでで高野に関してわかったこと

・マイペース
・男子に冷たい
・笑顔が可愛い
ということだった。

そんな彼女とは部活で同じパートをしている。

だいぶ距離も縮まり俺の前では笑うようになった。

「でさでさー…聞いてる?」

「聞いてないうるさい黙れ」

「そんなに怒らなくてもいいのに…」

「いじけるな見てるだけでムカつく視界の端に入るだけでもムカつく」

「はいはい」

もう一つわかったこと

・毒舌&ドS

そんな彼女に最近俺はあることを聞かれ続けている

「ねーフユキ、好きな人誰?」

窓の外から視線を外さず、話しかける。

ここでお前だって言えたらカッコいいのになぁ

「教えへんし」

「へー居るんだ」

「はっ⁈」

ニヤニヤと笑ってこっちを見る高野サマ。

「な、なんでわかった⁈」

「簡単な心理トリックだよ〜」

「あー‼︎」

「で、いつ教えてくれんの?」

「…」

「フユキの好きな人誰?いー加減教えてよね」

「あーもー‼︎うっせえな、わかったよ、今日メールで言うよ」

「やった‼︎楽しみにしてる♪」

そう言ってふわりと笑った高野。

…これ以上好きにさせんなよバーカ