嘘だと思われたくなくてじっと見つめる。 分かってくれたのか本田君は頭を掻いて「おう」って返事して俯いてしまった。 夕陽に染まって顔が赤く見えたのは気のせいだろうか。 「そういえば、お前こういうところよく来るの?」 「え、ああ……一人になりたいときとか、静かだからさ。秘密だけど」 「そっか……。これ、俺ら二人の秘密って事だよな」 「う、うん……」 二人、って事は誰にも言わないでくれるんだよね? 子供の私には”二人の秘密”って言葉がむずがゆくて、でも共有の出来事に少し嬉しかった。