荒れ狂う雲
実らぬ稲
民々言う
「神の子神の子」



念じ村娘に宿る魄
未来定められし神の子



神のご加護を受けた魄の
お産を見守る民々
もうすぐもうすぐ

村娘
「ああああああ」



おなご、大きく声上げ生誕



天告ぐ
「我の子我の子」







長年経ち少女美しき巫女となり
誓われた約束を果たし日来る






「ああ娘、貴方は神の子」


「  私は  神の子?」


じゃあ貴方は誰だと言うの
私を宿し産んだ、母さま
貴方は私の何
私は貴方の何







「違うわ!」


「否、神の子神の子」



貧しき此の村のため
貴方は産まれた
貴方は産まされた
貴方は死ぬために
貴方は神の子










灰色霄は愛おしそうに少女見下す

滴る悲しみの泪
少女の情、反して
白衣纏い儀式挙がる





村人
「神よ神よ」

「美しき巫女様捧げ」

「我らに平和を」






炎上がり
民踊り
風吹き荒れ
雷雨注ぎ
狂う












「ささ、神の子」




「恐い恐い、いやよ」





救けて
死ぬのはいや。恐ろしい!
私は違う、違うわ!
ただの村娘の子












「  ささ、神の子」


















迫る天
高鳴る悲鳴
押さえ付けられた手足は動かない



彼女に待つものは






































「ああ 美味そうな我が子」
































END