蛾の舞いに目を奪われ
足場を見失い 堕ちる



与えられた罪

谷の底には
喉を鳴らし 待つ猛獣
復讐の眼を光らせ

(此ちらへおいで)
(御覧なさい)
(肉魚飯、沢山沢山)





伸ばされる手に捕まれ
阻むことが 出来ない

浸食され
腐食し堕ちる



総てが 崩れ散った



罵声が響き
鬼畜共が喚く

そこは深く深く沈み込んだ

地獄


嗚呼 闇に引きずり込まれる













(拒めぬならば)
(潔く、眠りにつこう)






















戻れない儚い運命
諦めていた希望を

月光が照らす






(なんと!)




赤い霄見上げ
何処かの雲に手を翳した






尖らせた眼を閉じ



這い上がる隙を 待つ









最後に見たのは
無残に嘆くいつかの友

瞳には在るはずの無き 理想郷






現実を悟る前に

冷たい鉄の速球で
激しく脈打つその心臓を









打ち抜いてやろうか























END