バイクが進むと、全身に風が当たる。 うぅ、速すぎる。 でも、ここで怖いって言うのはプライドが許せない。 「大丈夫か?」 「も、もちろん。」 平気なフリをして、震える声を我慢しながらも答えた。 「なら、スピード上げるぞ。」 「えっ、ダメ。」 「なら、最初から言え。」 小さく笑う当麻、その姿が私を馬鹿にしているように見える。 でも、別に腹は立たないのはなんでだろう。