「あっ、僕君の事知ってますよ。」
男の人は私の顔を見ると、思い出したようにそう大きな声で言った。
・・・・どこかで会ったことあったかしら？
もしかして、同じ高校の人とか？
「アレでしょ、零姫。」
「なにそれ？」
零姫なんて初めて言われた名前ね・・・きっと、人違いだわ。
「黒龍の寵愛姫の通り名ですよ。」
「ふぅ―ん、そうなの。」
私って、そんな名前で呼ばれていたなんて初めて知ったわ。
でも、なんでこの人が黒龍のことを知っているの？
・・・・もしかして、この人も族関係のひと。
今さっき、陽菜ちゃんが言っていた族ってこの人ってこともありえるわ。
早く、逃げたほうがいい。
