親が離婚だなんて、珍しい話じゃない。


瞳ちゃんも確かお母さんだけだし、鈴木さんにいたっては、1人で暮らしているらしい。


こんなことで動揺しているぼくは甘ちゃんかもしれないけど、どうしたらいいんだろう…。


「それはな、まさるが決めることや。ゆとり世代特有の、どっちつかずはあかん。今回ばかりは選ばなあかんのや。わしならどっち選ぶ?みたいな相談事はやめてくれ。これはまさるの問題や。わしが口出しすることやあらへん」


その小さな腕を組み、神妙に頷くモヒリアン。


せっかく相談しようと思ったのに。


「まぁ、せやけど、わしやったらさな」


固い腕組みは、すぐに解けた。


「オカンかなぁ。オカンはなんせ女子やろ?スーパーでパックの肉をぐいぐい押しよるけど、女子なんや。オトンは肉とか押さへんからな、1人で暮らしてけるわ」


まさかの肉基準。


「どっち選んだとこでたいして変わらへんで。地球なくなるんやさかいな」


「たとえ地球がなくなるとしても、ぼくはその日まで精一杯生きるよ」


「なんや急にスポ根キャラみたいに。あまりのことにテンション間違ったな」


「けど、一つ確かめないと‼」