ペットホテルから戻った半蔵が、モヒリアンをしっかりくわえて離さない。


「なんやヨダレでネタネタやし。ちゃんと躾せんかいや‼甘噛み教えろ甘噛み‼こいつのマジ噛みやないか‼」


「半蔵‼ほら、モスバーガー‼」


魔法の言葉を唱えると、半蔵はさっさとモヒリアンを口から離す。


「やっと解放や。茶碗風呂か沸かしてもらわなあかんわ。ほんでも、目玉の親父はよう考えたら1番、気色悪いやろ。おい‼まさる‼言うてな。なかなかのモノマネのクオリっ‼」


最後まで言えなかったのは、半蔵が前足で捉えたからだ。


「だいぶ気に入ったみたいだけど」


「気に入ってもらわんでええわい‼なんや鉤爪みたいな足しよって。真っ黒やし、こんなん悪魔やないか‼エイリアンよりタチ悪い、和製の悪魔じゃ‼」


ジタバタするも、半蔵の競輪選手並みの前足に押さえつけられ、起きられないらしい。


「こ、こうなったら呼ぶしかあらへん。わしのペットや‼こんな悪魔に比べたら可愛いもんや‼モモちゃん言うてな、可愛らしいウサギなんや。も、モモちゃん‼モモちゃん助けてくれー‼」


モヒリアンは叫んだ。


その時、空が光った。