巧の彼女は、俺を見て微笑んだ。 「ホントだ。巧より、美少年」 「それを言うなっ!それをっ!」 巧が間一髪いれずに、だけど幸せそうに笑う。 巧の彼女は、写真で見るよりもずっと可愛かった。 どこか面影が誰かに似ている気がして、首をかしげる。 「あ、えと・・・塩崎琴音ですっ!琴音でいいですっ!呼び方っ!」 琴音は元気一杯の声でそう言ってから、にっと笑った。