チャイムが鳴った。
天音は、すばやく玄関のほうを見る。
持っていた紅茶のカップを、机の上に下ろした。
“睦月君・・・かな??”
さっき帰って行ったばかりの睦月が、忘れ物でもして取りに戻ってきたんだろうか??
ゆっくりとした動作で立ち上がる。
そういえば、今日はずっと彼の様子がおかしかった。
いつもは真っ直ぐに私を見てくれるのに、今日は私じゃなくて、どこか遠くを見ていた様な気がした。
何があったのか、聞こうかと思って彼の服の裾を、軽くつかんだ。
だけど、結局何も聞けなかった。
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