「ぅああああああああああああああああああああっ!!」
突然の大絶叫は、ロッカーの中にいる私にも容赦なく襲いかかった。
鼓膜が破れるんじゃないかと思う程の強震に、慌てて耳をふさごうとした私は、大きなミスを犯した。
腕が……ロッカーの内側の壁を擦り、小さな音を立ててしまったのだ。
今の音、赤い人に聞こえてないよね?
叫んでる途中だったし、大丈夫だと信じたいけど……。
「アハ。そこにいた!」
全然大丈夫じゃなかった!
パタパタと、床に散らばる資料の上を走って来るのが分かる。
どうしようどうしよう!
もう逃げられない!
せっかく助かったと思ったのに、ここで殺されてしまうの!?
足音がロッカーの前で止まり……ゆっくりとそのドアが開かれた。
暗くても良く分かる。
小さな赤い女の子の姿が徐々に見えてきて……。