「ありがとう、千穂」


「いーのよ、こんくらい!」



2人で笑っていると、先生が入ってきた。



時計を見れば、もうすぐHRの時間。



私の席に来ていた千穂は、自分の席に戻っていった。




HRが始まれば、頬杖をつきながら先生の話を左から右へと流す。




窓から空を眺めている私には、皆が「さいあくー!」と叫んでいることも知らない。




そうして、



「んじゃあ、頑張れよ」


そう言って先生は、HRが終わるチャイムと同時に出て行った。