ドクン、と心臓が鳴る音がやけに響く。 名前を出されると、思い出してしまうのは仕方なくて。 笑った顔や怒った顔、声も姿も全部。 一度出てきたら、終わらない。 「あお?」 「ごめん、次サボる…」 心配そうに私の顔を覗き込んだ千穂。 きっと、今の私の顔は歪んでるに違いない。 千穂には、見せられない。