「私は、ダークってやつ好きじゃないけどね」


トマトがそう言った。


トマトは、お父さんが産まれる前から居た猫で、誰が飼いはじめたか分からないほど、年をとった猫だ。


私は、ただ性格が合わないだけだって思ってた。




しばらくしたある日、試験に挑んだ私。
トマトが付き添いで来てくれた。


楽々とクリアできる試験の内容。
私は、自分の実力だと勘違いしていた。


試験に合格した私は、急いで家に帰った。
両親に、いち早く伝えようと思ったから。



「お母さん、お父さん!私――…」


ドアを開けて、言葉を失っていた。



血だらけの玄関、血まみれで倒れた両親の姿。
頭が真っ白になって、体がガクガク震えた。


「試験合格、おめでとう」


後ろから声がして、振り向くと、ダークの姿があった。


私は、言葉が出てこなくて、黙ったままだった。