ジャックの家からそう遠く無い死神の遊園地は、死神の街より何十倍も不気味さを漂わせていた。


「こここここ、こわいよう…」


震えながら涙目になるミューと、口が開きっぱなしで青ざめたチョコ。


「じゃー、はじめにジェットコースターのる?」


私がそう言うと、ミューとチョコは大きく首を振った。


「は、はじめは、なな、なんか食べない? し、死神さんって、何食べるのかなー? リンゴ?」


ミューはガタガタ震えていた。


「んー。 カエルとか?」


「か! かえ…!?」


そばにあった飲食店の外には、“カエルバーガー”や“おたまじゃくしバーガー”などと書かれていた。


「かかか、かえ…かえ…かえ、ろうよ…」


本音が出たようだ。
ミューは真っ青になったまま、そこに呆然と立っている。


「ほ、他に何食べるの?」


「…魚の骨、とか」


…魚の骨だけ?
あんまり食べたくなさそうな物が並ぶ飲食店を素通りした。


何に乗ろうか迷っていると、どこからか不気味な声が聞こえた。


…あなたの未知の世界~などと、この世の声とは思えないような声で。