ジャックはのそりと起き上がって、自分の傍にあった鎌を持って玄関に向かった。
私とチョコは、ジャックについて行った。


「人間の腕を取りにいくって事は…人間界に行くって事? 私、初めて行くなぁ」


少しばかりウキウキしていると、チョコが私の頭をこづいてきた。


「ガキのクセに私をこづくとはいい度胸してるじゃない。 あんたはだんだん死にたくなーる…」


「陰気な魔法使うんじゃねえよ! 分かってんのか? 人を殺しに行くんだぞ!!」


チョコは真剣な顔をしてそう言った。
悪魔といえば、人間と契約して、契約した人間の魂をいただくのが仕事のくせに。


何ビビッてんだか。


「それに…、俺スプラッタは駄目なんだよおお!!」


“腕を手に入れる”って事は、腕を切り落とさないといけない。
その場を見るのが嫌なんだろう。


「じゃあ、あんたはここにいれば? 私は楽しそうだから行ってくる」


「わー! 待って! お前のホウキがないと帰れないんだぞ!」


ギャーギャーうるさい…。
いつか百万貯めてアレをコイツに飲ませてやる。


なんて事を考えながら後ろにチョコを乗せた。