リーダーの妹?確かに目元が似てる気がする。


『俺はこの写真だけを持ってこの世界に来た。
でもな、日に日にこの子が誰なのか分からなくなってきたんだ』


『………』


『いつかそんな事も気にならないようになって、
俺はこの写真を捨てた。でも………』


『で、でも?』


『ある日この街で綺麗な花がたくさん咲いてる場所を見つけた。そこには青い小さな花が咲いていたんだ』


『青い小さな花って、もしかしてこの写真の……?』


『そう、その場所は写真に写ってる場所だった。
俺はそこで初めて記憶がなくなってる事に気付いたんだ。それと同時にこの世界について色々調べるようになったって訳』


そしてリーダーは写真を見つめて呟いた。


『俺は必死になって捨てた写真を探したよ。
最後に撮った妹の……この写真をな』


だから写真はヨレヨレになっていたんだ。リーダーが綺麗に伸ばそうとした痕跡がある。でも最後の写真って………。



『………妹は死んだんだ。生まれた時から体が弱くて……1度だけ外出許可が出た時に撮ったのがこの写真』


リーダーの過去。

もしかしたら現実世界に居たくないと、リーダーが思ってしまったキッカケなのかな。

なんとなくリーダーの顔がそれを語ってるように思えた。