理解はなんとなく出来た。でも………。
『それのどこがカラクリなの?』
例え記憶で出来ている街でも、それが重要な事だと思えない。するとリーダーはここからが本題と言った感じで背筋を伸ばした。
『俺達はな、この世界を作った奴に記憶を覗かれてるのと一緒………いや、記憶を吸いとられてるって言った方がいいかもな』
『記憶を吸いとられてるって、それって……』
『そう、この世界にいると記憶が無くなっていくんだよ。現実世界にいた時の記憶がな』
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐!!!!
『き、記憶が無くなるってそんな………
じゃぁ、リーダーはなんでその事に気付いたの?』
俺が聞くとリーダーはズボンのポケットから
1枚の写真を取り出した。
それはヨレヨレの写真。
1度ぐちゃぐちゃにして元に戻したみたいな………
写真には女の子が写っていた。青い小さな花がたくさん咲いている場所で笑ってる。
『これは……?』
『俺の妹だ』
その瞬間、リーダーがすごい切ない顔をした。