『ふーん。そうなんだ。まぁ、どこの世界にもいるよね。何でも仕切りたがる奴』


リーダーの説明が終わって、シオリが腕を組ながらぼやいた。


“カシワギ”
この世界で勝手なルールや掟を作ってる奴。

でも絶対それだけじゃない。

みんなの顔を見れば分かる。カシワギと言う男にはもっと違う何かがあるような気がする。


『でもさ、そんなに怖がる事じゃないじゃん。
確かにガラは悪かったけど、話した時は別に普通だったよ?』


シオリの何気ない一言でまた空気が変わってしまった。


『話した………?』

すぐに反応したのはリーダー。


『う、うん。話しかけられた…よ?ダイキ組のシオリちゃんだよね?って』


『それで?』


『うーん、よく分かんないけどユウキの事聞かれたよ』


……………え、お、俺の事?なんで……。


『ユウキがどうゆう経由でこの世界に来たのか教えてって』


俺がここに来た経由?
なんでそんな事を……………………………
…………………………………あ、


気付いた時には遅かった。


『だからユウキは誰かに連れて来てもらったみたいだよ、って答えたけど………』


リーダーはその言葉を聞いて、シオリの体を強く揺さぶった。


『そ、それでカシワギは!?』


『……え、ふーん、分かった。
ありがとうって………』


リーダーの見た事がない動揺に、この場にいるみんながびっくりしていた。