家の中に入ると広くも狭くもない1DKの部屋。

台所にお風呂、そしてトイレ。それとベッドやテレビも置いてあって殺風景だけど暮らすには十分な物が用意されてあった。


……………今日からここで暮らすのか。

なんだかやっと実感が湧いてきた。


それにしても最初は88人もこの世界に居るのかって思ったけど、88人に対してこの世界は広すぎる

この家の数もそうだし、店の数も。



『なぁ、シオリもミノルに連れてこられたの?』


『え?ミノルって誰?』


『………え、だから、そのMだよ』


『…………Mってなに?』


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐あれ?
シオリはMを知らなかった。

俺はてっきりここに居る奴らは全員ミノルに連れてこられたとばかり………。


俺にメールを送ってきたM。

俺をこの世界に連れてきたあいつは
本当に何者なんだ………?



『あっ!ねぇねぇ、ユウキをみんなに紹介したいんだけど』

シオリが突然思い付いたように言った。


『み、みんなって……?』

『行けば分かるからちょっと来て』


俺の腕を強引にシオリが引っ張った。