『どう?この街は』

自慢気に声を出すMは俺の真後ろに立っていた。


『お前どんな手使ったんだよ。
俺はさっきまで…………』


一瞬の事で全く何が起こったのか分からない。

急に目の前が真っ白になって、気が付いたらここに居た。


『僕の質問、どこの街の風景か。
それに正解する事が入り口なんだよ』


正解する事が入り口ってそんな事………
いや、頭で考えても無理だ。

この街が存在する。

その事自体ありえない事なんだから。


あの絵が入り口なんてありえない事だけど、
この世界も全部ありえる事なんだ。



『そうだよ。頭で考えるのは大人。
頭よりも体で覚えるのが子供。

つまり君はここに居る。
目に見えるもの、感じるもの、
その全てが現実なんだ』


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐全て現実。


思えば俺はMに洗脳されていたのかもしれない。
まりで催眠術みたいに。

全て現実、今日から俺はここの住人。