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それから暫く経って、枕元で携帯が鳴った。

ブーブーと鈍いバイブ音は睡魔を妨げるように永遠と鳴り続けている。

この長さからいっておそらく電話。せっかく気持ちよく寝ていたのに一気に目が覚めてしまった。


不機嫌になりながら携帯を手に取ると、そこには着信【フク】の文字。


フクは同じ学校で同じクラスの親友。

お人好しで人が良すぎるのが少し欠点だけど、
俺の一番の理解者だ。



『もしもし?』

渋々電話に出ると慌てたフクの声が飛んできた。


『ユウキ学校来ないの?もう昼だよっ』


『は………ひ、昼??』


そっと携帯を耳から離すと時間は12:15分。


じゅ、12時!?やべー!!
少し寝るつもりが完全に寝過ぎた。


『今から行くっ!』


俺はフクと繋がる電話を勢いよく切って、
急いで支度をした。