「近未来少年少女」




安息を求めたリーダーと刺激を求めたカシワギ。

リーダーは一息つくように目線を下へ落とした。


『まぁ……それでその後俺はこの世界のカラクリに気付いて、余計カシワギとは犬猿になっていったって訳』


『犬猿に………』


『そう、1度歯車が狂うと元には戻れないからな』


『………』


俺はずっとリーダーはカシワギの事が嫌いなんだって思ってた。だから会えば言い争って睨み合う。

でも本当は違う。

犬猿の仲なんじゃなくて、多分リーダーは…………
まだカシワギに対して強い想いがある。

だからカシワギに強く当たってしまう。
そんな気がした。


だけどそんな簡単な事なのかな?

カシワギはずっと1人で生きてきて、誰も信じないって言ってた。そんな人間が誰かに過去の事や自分の事を話すのは楽な事じゃない。

だって、何かを打ち明けるって事は心を開くという事。

つまりカシワギはリーダーの事を信用していたんじゃないかな。それなのに刺激を求めて、唯一心を許せた相手を避けるなんて事するだろうか?


“俺は自分の信念を貫く。ただそれだけ”

俺の中でカシワギが言ってた言葉。


カシワギが貫き通したかった信念って一体なんだろう。

カシワギはこの世界の情報を集めてるけど、それはこの世界から出る為じゃない。

確かカシワギは『俺の目的は別にある』って言ってたっけ。カシワギの目的、そして貫きたい信念。


もしかしたらそれは同じものなんじゃないかな?
確信なんてないけど、なんとなくそう思った。