涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



くっついてメニューを見せて来た真理ちゃんのその仕草がすごく女の子らしくて、女の子なのにドキッとした。


……考えてみたら私って全然女の子っぽくないよね。


入学してから二ヶ月、何回か先輩やクラスの男子から告白されたけど、どこがいいのか私にはさっぱり。


そういえば今日は梅雨なのに雨が降らなかった。



「真理はラテにしようかな〜」


「はいよー。待っててね、美味しい飲み物つくるけんね、可愛いお嬢さんたち」


「……いちいちウインクいらんけん」


「ツンデレなサクもいいなぁ〜」



……イラっとするけん、やめて。


ジトーの睨む私に「もう黙ります」と言いたげな顔で東野さんが手を上げた。


変な人に気に入られてしまった……



「それでさっそくなんやけど、真理……サクちゃんに聞きたいことがあると」



いきなり始まった真理ちゃんの話に構えてなくて身体が固まる。


聞きたいこと……?