涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。




「真理?」


「今日は先に帰っとって!真理は咲夜ちゃんと帰るけんっ」



不安そうに見つめるレイ。


そんなレイと隣にいた圭都にもばいばいをして、真理ちゃんと学校を出た。



「真理ね、サクちゃんと仲良くなりたいっちゃん!」


「……え?」



無言で気まずい空気を断ち切ったのは、真理ちゃん。

天真爛漫な笑顔を見せる彼女に黙って着いて行って、たどり着いた先は……



「サク!!めっちゃ久しぶりやなっ!!?」


「あは…ははっ…」



入学式の日に訪れて以来の太陽のカフェだった。


引きつって顔がピクピクする。


この前とは違ってカウンターに真理ちゃんと並んで座った。


……なんで私ここにいるんやろう。



「サク会いたかったとばい!?」


「……はあ」


「いやんっ。冷たか!ばってんそんなサクが俺は好きとばいっ!!」



ウインクをして、こてこての博多弁で話す東野さんに苦笑いしかない。


よりによって、なんでここなわけ。



「サクちゃんなに飲む?」


「…えっ?あぁ、えっと……ミルクティー」