涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



教室に入るとみんなの視線が突き刺さる。
私に向けられたみんなからの視線は少し冷たい気がした。


……たぶんいろんな人に反感かってるんだろうな。


確かに新入りで、いきなりやって来た女が学年のモテ男二人とつるんでたらいい気はしないか。


別に、つるんでるつもりはないんやけども。


昨日言われたばかりやから気になる。


私が頼りないから、なにかと気にかけてくれとるだけ。


……私ずっと一人でいいのに。


誰かと仲良くなろうとは思わない。


こっちの方がすごく気が楽やし。



「サクちゃん、今日ちょっと話せん?」



放課後になって私のところにやって来た真理ちゃんに一瞬だけ動きを止めた。


……なに、え?



「いいけど……」



私、なに言われるとかいな?