「ちょっと!真理ちゃんの前で私を呼び出すなんて、いったい何考えとるとよ」
レイって小さい頃からそう!
乙女心ってやつをまるでわかってない。
あんなの……
真理ちゃん絶対傷つくに決まってる。
たぶん、幼馴染の私のことあんまり良く思ってないはずなのに。さっきは私の体調まで気遣ってくれて。
不安がらせちゃ、ダメだよ。
あんな優しい子を泣かせたらいかん。
「わかっとる。真理にはあとでちゃんとフォロー入れるし」
……そう聞いてショックを受けてる私も私。
ほんとつくづく呆れるほどレイで埋め尽くされた心にため息を吐く。
「サク、悩みがあるならちゃんと言えって」
「……は?」
悩みって?
「ペンケース、前の授業の時はちゃんとあったやんか」
「…っ……」
気づいとったんや。



