「好きだったら……なに?」
「え?」
「あんたたちに関係あんの?そういうのって、人の自由やと思うけど」
私があの人好きだから、あなたはあの人のこと好きになるの禁止。
なんて、そんなのどこの法律よ?
別に私、圭都のことが好きなわけじゃないけど、
そういうの、なんか、ムカつく。
不愉快やん。
空気を読んで「好きやないよ」と言えばいいんだろうけど、別にあんたたちと仲良くしたいと思ってるわけじゃないから言わない。
目の前の彼女たちを睨みつけてから、私は教室を出た。
「な、なんよ!自分がモテるからっていい気になってさ!」
「麗矢も圭都もたぶらかして最低!麗矢には真理がおるとよ……!?」
女子たちの叫び声が私の進めていた歩みを止めた。
……たぶらかしてる?
なんのこと。



