涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



私のことを心配そうな顔で見つめる彼にときめきながら「そんなに心配せんで」と冷たくあしらった。


ダメよ、期待しちゃ。

これはレイの優しさなんだから。



「咲夜が倒れたら今度は俺が保健室まで運んでやるけん!!」



そう力こぶをつくって見せる圭都にみんなで笑った。


……圭都とは少し気まずいなぁとか、少し思っちゃったりしていたんだけど。


でもそんな気まずさの壁なんて圭都は平気でぶち壊してしまった。


ほんとすごいな……圭都って。


だから。



「ねぇ、圭都のことどう思っとると!?」


「……はい?」



放課後になって女子たちが私を囲むように聞いて来たことに、すごくビックリした。


どうって……なにが……?



「好きなん?」



そう聞いて来た女子たちの目から「お願い、好きじゃないと言って!」みたいなものがひしひしと伝わって来て。


……あぁ、こいつらは圭都のことが好きなのか。


って、すぐにわかった。