どうしようもなく、涙が溢れた。
切なくて、切なくて、胸が張り裂けるようだ。
レイは……
私の帰りを待ってくれてたの?
約束も、なにもしてなかったのに。
突然いなくなった私を。
もしかしたらサクが戻ってくるかもしれんって、少しでも思ってくれてた?
「け、いと……っ」
「ほら、おいで」
手を広げた圭都の胸に子供みたいに泣きじゃくりながら抱きついた。
優しい温もりに包まれる。
私は間に合わなかったんやね。
待ってくれとったのに。
教室で言った『ごめん』ってそういうこと?
あぁ、もう悔しい。
あと少し早かったら
レイの特別な人になれたのかな……?
「よしよし。泣け、妹よ」
「なんで妹なん……」
「いいやん。俺、妹が欲しかったっちゃん」
意味、わからんわ。
私たち同じ年やんか……っ。
でも、今は少しだけ圭都に感謝しとるとよ。
ありがとう。



