涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



「初めて丘で咲夜を見た時、めっちゃ綺麗な子がおる!って思ったと」


「そんなの、いいよ……」



聞きたくないから。



「まあ聞けって。んで、俺の親友と同じようなことして笑う咲夜をもっとよく見えるところで見たくて夢中になってたら木から落ちてしもーた」



そう……だったんだ。



「切なそうに笑って空をゆびさしとった咲夜と仲良くなりたいって思った」


「うん」


「なにかこの子すげぇ闇抱えとるんやないかなーって、思っとったとよ」



すごい洞察力だなって思った。


出会ってまだほんの少ししか過ごしてないのに、そんなことまでわかっちゃうんだ。



「麗矢にどうして真理の告白うけんの?って聞いたことあるんよ」


「え?」


「あいつ真理に何度告白されても首を縦にふらんと」