「みんなのことばっか優先して偉いと思うよ」
「あんたに…っ、なんがわかるとよ!?知ったような口聞かんで!ムカつく!」
起き上がって圭都を見た。
流れる涙が、頬を濡らした。
……あの頃、私とレイがどんなに二人一緒に居たか知らないくせに。
レイと離れている間、私がどんな生活をして、どんなにレイに会いたかったか、知らないくせに。
私にとってレイがどんなに大きな存在か、
レイと再会した今、私がどんなに……
どんなに、レイのことを好きか知らないくせに。
「なんも…っ知らんやろ…っ」
「レイのことが好きなんやろ」
圭都の優しい声が私の耳に届いた。
否定する気も、起きなかった。
「気づいとったよ、初めて会った日から」
気づかれてること、知ってた。
そう言ったら「さすがやな」って言われた。



