雨が神様の涙だなんて、メルヘンチックなことを言いだしたのはいったい誰なんだろう。


みんなの運命を握る神様も、泣いたりするのかな。


私が欲しくて欲しくてたまらないものを持っている人も、


悲しみに暮れて消えたくなったりするのかな。



「おい、大丈夫か?平気か?」



目を覚ました私の目に飛び込んで来たのは錆びた古い天井と、心配そうな顔をした……



「ここは……?」


「保健室。麗矢が運んでくれたとばい」



圭都の顔だった。


へにゃと笑って見せると圭都もぎこちなく笑ってくれた。


……これが、全ての答えだと思ったの。


レイが気絶した私を保健室まで運んで、目が覚めた時に待ってくれていたのはレイじゃなかった。