涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



キーンコーンカーンコーン。


4時限目が終わるチャイム。

目を見開いたレイが「うん」と笑ったからこれでいいんだって思った。


好きなのに……


届かないし、届けてはいけない想い。


真理ちゃんはすごくいい子だから、私なんかが泣かせちゃいかんとよ。


泣いたり、

不幸になるのは、


私の方が似合ってる。


もう慣れっこだし、もう諦めてる。


……でも胸の中は、頭の中はレイで溢れてる。


気を抜くと、いつでも君を想って涙が出そうになるとよ。


こんなに。こんなに。


レイが、好き。


望まないから、なにも望まないから


心の中で君を想うことは


健気に、君を想うことだけは

どうか許されてください。