涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



私の髪の毛で遊ぶレイの手に私の手を重ねた。



「サク?」


「レイ……私……っ」



待って、咲夜。

あなた、なにを言おうとしてる?


唇をクッと噛んで、言葉を消した。


……言ってしまったら

きっと戻れなくなる。


『好きだよ、レイ』


言ってしまえば、嫌われる。


レイの心が真理ちゃんにあるなら、私の気持ちは迷惑なだけ。
伝えてしまったらきっとレイは優しいから困らせてしまうよね。


そんなの望んでない。

レイを困らせたくない。悩ませたくない。


それならせめて幼馴染でいたい。


嫌われるぐらいなら、幼馴染でいい。


大切な女の子……それでいい。



「真理ちゃんと仲良くしなよ」



だから私は嘘をついて

微笑ったんだ。