私の髪の毛で遊ぶレイの手に私の手を重ねた。
「サク?」
「レイ……私……っ」
待って、咲夜。
あなた、なにを言おうとしてる?
唇をクッと噛んで、言葉を消した。
……言ってしまったら
きっと戻れなくなる。
『好きだよ、レイ』
言ってしまえば、嫌われる。
レイの心が真理ちゃんにあるなら、私の気持ちは迷惑なだけ。
伝えてしまったらきっとレイは優しいから困らせてしまうよね。
そんなの望んでない。
レイを困らせたくない。悩ませたくない。
それならせめて幼馴染でいたい。
嫌われるぐらいなら、幼馴染でいい。
大切な女の子……それでいい。
「真理ちゃんと仲良くしなよ」
だから私は嘘をついて
微笑ったんだ。



