涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



本当なら、レイの隣にいるのは私だった。


私の大切な人はレイで、

レイの大切な人は私だった。


そう、なるはずだった。


離れさえしなければ……って、そう思えて仕方ないんだよ。


変えられない過去ばかりに、後悔ばかり。



「もう会えんて思ったけん」


「レイ……?」


「ごめんな」



その後に「信じて、待ってられなくて」って聞こえたのは気のせいなのかな。


……レイの心は、今、どこにあるの?


真理ちゃん?

それとも……ーーーー?



「サクの髪の毛ってほんとサラサラしとるよな」



レイの言葉に、小さい頃レイがいきなり私の髪の毛を掴んで来て、痛い思いをしたのを思い出した。



『もうっ、なんするとよ!!?』


『だってサクの髪がサラサラしとるけん……』



触れたくなったと言われた時は面食らった。


でも素直に嬉しかったんだ。