本当なら、レイの隣にいるのは私だった。
私の大切な人はレイで、
レイの大切な人は私だった。
そう、なるはずだった。
離れさえしなければ……って、そう思えて仕方ないんだよ。
変えられない過去ばかりに、後悔ばかり。
「もう会えんて思ったけん」
「レイ……?」
「ごめんな」
その後に「信じて、待ってられなくて」って聞こえたのは気のせいなのかな。
……レイの心は、今、どこにあるの?
真理ちゃん?
それとも……ーーーー?
「サクの髪の毛ってほんとサラサラしとるよな」
レイの言葉に、小さい頃レイがいきなり私の髪の毛を掴んで来て、痛い思いをしたのを思い出した。
『もうっ、なんするとよ!!?』
『だってサクの髪がサラサラしとるけん……』
触れたくなったと言われた時は面食らった。
でも素直に嬉しかったんだ。



