「ほんと久しぶりやね!レイ!」


「……うん」


「ずっと会いたかったとよ!」



昔にタイムスリップしたような気持ちになってレイの手を握ると、レイは目を大きく見開いて私を見た。


そして。



「……そう」


「え?」



そっけなく返事をするとレイは私の手をはらって、視線をずらした。


大きな目を伏せて、下を向いて。
笑顔が可愛かったはずのレイが1ミリも笑わずに。



「はよ行くぞ、圭都。真理たちが待っとう」


「う、うん?」


「じゃあな、サク。会えてよかった」



冷たい表情にとてもじゃないけれど、レイがそう思ってるとは思えなかった。


レイ……?


私の目の前にいるレイが、私の知るレイじゃないみたいで悲しい気持ちになる。


なんで?どうして?

そんな思いがばかりが頭を駆け巡る。


横を通り過ぎて行ってしまったレイに私は固まることしかできずにいた。



「な、なんかゴメンな?麗矢なんか今日おかしいっつーか。いつもはあんなやつやないっちゃけど……」


「……うん」



知ってるよ、圭都。知ってる。


レイがどんなに優しい人か、私、知ってる。



「また会ったら遊ぼうな?」