涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



その言葉に、さらに頭に血がのぼった。


レイは悪くない!!

私がまだ帰りたくないって言ったっちゃけん!!



「電話させなさい。私が一言言ってやるけん」


「いいよ、そげんことせんで!!」


「だめ。ケータイを出しなさい」


「…っ、うざいって!そういうの!やめてよ恥ずかしいっ!!」



思わず声を荒げる。


聞こえてないの?って言いたくなるぐらい、私の意見を聞こうとしない美紀さんに腹が立って仕方なかった。


……いいやん、ちょっとぐらい。

遅くなったって。


私も、ようやく前向きになれたんよ。
生きて、笑いたいって。


やから邪魔せんでほしい。



「もうやめり、二人とも。近所迷惑たい。美紀も身体に障るけん」



奥から来た叔父さんに黙る。


美紀さんは私のこと理解してくれようとはしないんやね。