息を吸うのも忘れて、目の前にやって来たひとりの少年を見る。
「ここにおったんか圭都」
「おお、麗矢!隠れとったっちゃん〜。わからんやったやろ?」
圭都からレイヤと呼ばれた彼を見たままの私の視線はどうやっても外せなかった。まばたきも、できないほど。
背も高くなってて、
声も低くなってるけれど。
「レイ……?」
幼い頃の面影を残したレイが、
「………サク?」
目の前に、いた。
8年ぶりの再会は、思い出の丘だった。
「え?え?どうゆうこと?二人は知り合い?」
「……幼なじみたい」
「幼なじみなんかおったんか!?」
近くにいる圭都の大きな声に耳が痛い。
でもそれよりも今は、レイと生きて会えたことの方がよっぽど嬉しい。
私のことも、ちゃんと覚えててくれた。



