「れぃ…っ」 名前を呼ぶと遮るようにレイのキスが飛んで来た。 酔いしれるように瞳を閉じて、レイのTシャツの左胸あたりをキュッと握った。 ……あぁ、どうしよう。 もう、ダメだ。 好きだよ。 真理ちゃんがいるとか、 傷つくとか、こんな甘いキスをされるとごちゃごちゃしたことがいっきにどうでもよくなる。 ……好きなんだよ。 溺れたように、足もとをすくわれて、息ができないような、苦しい恋。 もう10年は想ってる。 泣ける。レイ…っ。 苦しいほどに、君が愛おしいよ。 君が、欲しいよ…っ。