涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



「へぇー!じゃあ今度たくさんお菓子持って来ちゃる!」


「い…いいよ、太るけん」


「咲夜はちょっと太ったほうがいい」


「意味わからんちゃけど……」



女の子に太ったほうがいいって言える神経疑うんですけど。


私が怒ると圭都はすぐ笑う。


……そんな嬉しそうに笑ったってダメなんやけんね!?



「…………」



そういえば、レイと真理ちゃんもこの祭りに来るって言ってたっけ。


……どこかにいたりせんかな?


なんて、レイを探してる自分がいた。


会えたらいいなぁなんて、

浴衣姿を見せたいだなんて、


圭都とおるのに思ったらいかんよね。



「もうすぐで打ち上がるみたいやけど、ここから見えるかいなー?」


「……どうやろうね」



レイのことを考えると胸が痛い。

隣にいる圭都に申し訳なくなる。


中途半端な気持ちで圭都の優しさに触れるのが心苦しい。