涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



男の子が固まって射的に夢中になってる。


女の子は女の子で焼き鳥なんかを食べながら歩いてる。



「暑いなぁ」


「……そうやね」



さすが夏と言いたくなるような気温。

歩いているだけで汗ばむ。


ゆっくり歩く二人のスピードは、なんだかこそばゆかった。

だって、圭都が私の歩幅に合わせてくれてるんやもん。


……なんか照れる。


この町一番の花火大会だけあってか人が多い。



「りんご飴食べる?」


「え?…うんっ」



頷いた私に笑って見せて、圭都が「おっちゃん!一個ちょうだい!」と真っ赤なりんご飴を買ってくれた。


差し出されたりんご飴がかわいくて嬉しくて。



「美味しい?」


「あまい」


「甘いの苦手なん?」


「ううん。むしろ好き……かな……」



お母さんがチョコレートが大好きで、その影響か私もすごくチョコレートとか甘いものが好き。