涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



「今度、神社のほうで花火大会があるんやけど一緒に行かん?」



花火……大会?



「私と圭都で?」


「うん」



いやいや……え?


私と圭都の二人だけで行くと?


それってなんか……



「この意味、わかる?」



デートみたい。


そう思った時圭都の真っ直ぐな瞳と目が合って、思わずドキッとした私がいた。


意味って……


健全な高校生の男の子が女の子を花火大会に誘う意味?


それって……

まさか、本当に……?



ーーーー圭都が、私を好き?



自分がマンガの女の子みたいにすごく鈍感ならよかったのに……と思った。



「考えといてよ」


「……うん、わかった」



返事をした私に笑いかけて、圭都が嬉しそうにメロンパンを頬張った。


知らなかった。


圭都の想い、全然気づかなかった。